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谷は日本初の「仮面」をかぶっている高校生。彼はバレー部の島さんに恋するフツーの高校生だ。仮面をかぶっていることと、異様にパワーがあることを除いては、、、。普段は読書好きのおとなしい谷だが、時折見せるそのコンクリをも崩す異常なパワーにはどんな不良も太刀打ちできない。谷はケンカなどには興味なく、ただひたすら島さんのことを考える毎日だったが伝説の不良と呼ばれていた中岡が高校に戻ってきて谷のパワーに着目、谷と組んで「不良高統一」という野望を実現しようとする。谷は不良高統一になど全く興味を示さないが「島さんとの恋を成就させてやる」の一言で協力することに、、、。
谷仮面は一見ケンカばかりしているが、しかしてその実体はものすごい純愛漫画なのです。谷仮面の次に柴田ヨクサルが描いた「エアマスター」が格闘に重きをおいているのに対してこっちはもう純愛の嵐。また谷の純愛が泣けるんだこれが。人は恋愛の経験が増すごとにだんだんずるくなってきて、好きな相手というよりいけそうな相手を選んだり、どうすれば要領よく女とつきあえるかのテクニックを覚えたり、デートよりもSEXが重要になってきたりと恋愛に対して不純になってくるものだけど、谷を見ていると好きな人とデートさえもおぼつかなかった頃の、目があったり話せただけで天にも昇るほどうれしかった頃の純粋な気持ちがよみがえってきます。谷の島さんのことばかり考えたり、逆にそれ以外のことはどうでもよかったりする気持ち、よく分かります。
谷の異様なケンカの強さ、パンチ一発でほとんどのものをぶちこわす爽快感も実に心地いい。しかし谷はそんなケンカの勝ち負けなんかよりも島さんのことが重要なんですね。レスリングの試合で島さんがいないものと勘違いしてガッカリして、谷の試合ぶりに盛り上がる一般生徒に対して
「おまえなんかにただの一言も応援されたかねェんだ!!!」
と八つ当たりするのは笑えます。
とにかく谷の圧倒的な強さと純愛ぶりに感動して下さい。正直絵はあまりキレイではないですが(特に連載当初)、それを補って余りあるパワーを持った漫画です。
2001年10月13日18時49分
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