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「攘夷 幕末世界」森田信吾(秋田書店)



これは強烈!作者は「栄光なき天才たち」の作画をしていた森田信吾。この漫画はヤングチャンピオンか何かで連載していたのかな?(違うかも、秋田書店の青年誌系)初めて読んだときはのけぞりました。狂ってる!こんなの連載していいの?てな感じで。

舞台は幕末の大政奉還直後。しかしまだ完全に明治政府が樹立してはいない頃。まだまだ尊皇攘夷宇思想がはびこっている時に、主人公の関谷幸四郎は突然の時代の移り変わりにとまどっていた。そんな時、藩に英語教師のスチイネルという異人が来て、英語を教えるという。幸四郎はその英語教室に習いに行くが、ある日スチイネルが実は服を脱ぐと化け物だ、という町人の噂を聞いて、好奇心から確かめにスチイネルの屋敷に忍び込み、正体を確かめに行く。そこで幸四郎が見たものは…。

てな感じ。当時はまだ外国人(特に西洋人)を見慣れておらず、しかも尊皇攘夷思想もあって、「異人は化け物だ」という迷信を信じている者も意外に多かったんではないかと思う。で、この漫画のすごいところは、その迷信である「異人は化け物だ」という思想を本当のこととして描いているのだ。つまり、幸四郎はスチイネルの正体、つまり化け物の姿を目撃して、それを斬り殺してしまう。そして藩から追われる身になってしまう。そして行きづまっているところを弥勒神(なぜか西洋のマリア像に酷似)に啓示を受け、真の悪を倒しに行くというストーリー。じゃあ、今いるアメリカ人などもみんな化け物か?と突っ込みたくなってしまう。ある意味そうかもしれないが…。

はたから見ると、この幸四郎という青年は完全に狂っているとしか思えないのだが、それを「正しい主人公」として書いているから面白い。この漫画の中では実際に西洋人は化け物で、幕府はその化け物に侵されているのだ。藩の殿様や、第2次世界大戦時の日本兵も化け物として描いているところを見ると、西洋人だけでなく、西洋化したもの(および西洋の覇権主義)もみな化け物、として表現されているようだ。圧巻は神に啓示を受けた時に「お前に世界の真の姿を見せよう」といって世界観を提示する部分。

「太陽の真の姿は柱であり、どこまでもつづくらせんなのだ
人間は太陽を柱として正しくとらえる能力に欠けるため人間には見かけ上時間が生ずる!
時間は実在しない-このことを忘れるな」

という実に画期的な世界観を見せてくれる。超ひも理論によると、人間は3次元でしか認識できないので、それ以上に次元のものは正確にはとらえられない、という話があるがそれと似ている。もしかしたらこっちが正しかったりして…。いずれにせよ、この時代のあまりの価値観・世界観のうつりかわりに当時の人はかなり混乱したんだろうなあ。

まともな出版社から出ている公式な漫画で「西洋人は化け物だ!」と断言したものはおそらくこれだけではないだろうか。画期的。ちょっと狂っているが、作者は確信犯的に書いている。ある意味西洋文明全盛の現代社会においての痛烈な皮肉ではないだろうか。ぜひ読んでください。全2巻完結。



2000年12月04日06時48分



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