「賭博黙示録カイジ」福本伸行(講談社)
うーんカイジ。これは大した漫画だ!
もともとこの作者は麻雀漫画で活躍していた人で、その段階では賭け事をやらない俺としては別に興味ねえな、といった感じだった。あの独特な絵のタッチも「ヘッタクソやのう」位にしか思っていなかった。
しかしヤンマガに来て、同じ賭け事でも既存の麻雀などのギャンブルゲームの枠を使わずに、彼オリジナルのゲームで話を展開することによって、ありがちなギャンブル漫画の枠を超えて優れた漫画の一つとして成立してしまった!それもかなり優れたレベルで。
これを機会にこの作者は一般漫画としても巨匠としてのし上がったんではないかと思う。最近少年マガジンにも、「無頼伝・涯」(この人の漫画のタイトルって必ず主人公の名前だよな)を連載し始めた。これまらギャンブルとは無関係の漫画である。これも面白い!(しかしあんな内容を少年誌に載せていいんか?)
この作者は独特の哲学と言うか、暗い世界観があって、それが真に迫っているのが深いところである。「無頼伝・涯」だが、出だしがいきなり
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孤立せよ…人は世界がバラバラになれとまかれた種だっ…!
だから孤立せよっ…!散れっ…!
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だぜ。これが夢いっぱいの少年誌の読者に言うことか?ジャンプの理念とは真っ向から反するね。
ギャンブルが好きだろうと嫌いだろうと絶対に読む価値はある!(現に俺はギャンブルに全く興味がない)くだらない本など読むくらいならこの漫画を読む方がよほど得るものある…。そんな漫画です。
読め!
ヤンマガで現在第3部が連載中。
2000年11月08日03時52分
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